注文住宅を建てたいと思っている方で、土地をお持ちでない方はまず土地探しから始まりますが、ご予算が限られており、できる限り安価に土地を入手したいと思っている方は多いのではないでしょうか?
本記事では、安く土地を買おうとして危うく大失敗しそうになった私の経験談を共有します。
- 物件情報の”制限事項”欄や”特記事項”欄に”航空法による規制有”と書かれている場合は、飛行機による騒音が問題となることがないか事前確認をとってください。
- 可能であれば、土地の契約前に、土地周辺の住人に周辺環境について聞き込みをしたり、通常と異なる時間帯(夜間、平日等)にも土地を訪問したりすることをお勧めします。
失敗談:陸は良好でも、空を見ていなかった。
千葉県鎌ケ谷市にある建築条件付き土地を見ていました。その土地は大型分譲地の1画で、130m2ほどの広さがある整形地であり、北向きではありましたが、3,000万円未満で注文住宅を建てられる格安物件でした。そのほか、ハザードマップに該当する要素もなく、前面道路幅も6mあり駐車に困ることもなく、駅徒歩も15~16分程度で通勤にも大きな支障はありませんでした。建物のグレードについてもハウスメーカーから説明を受け、品質に問題がないことが確認できたため、購入を決断し、手付金を支払って契約をしました。
しかしながら、数日後、妻が平日に該当の土地を再訪問した際に大問題が発覚しました。住宅建設予定の土地の上空わずか数十mのところを、自衛隊の飛行機が物凄い爆音を出して飛び交っていたのです。
近くを歩いていた地元の住人に聞き込みを行ったところ、該当の土地近辺は下総航空基地の飛行ルートと重なっており、基地への離着陸のために飛行機が高度を下げるため、大きな騒音を伴ってしまうのだとか。。。
地元の住人いわく、酷い時は家の中でテレビを視聴していても、テレビの音が騒音で搔き消され、聞こえなくなってしまうほどとの事でした。
また、海上自衛隊下総航空基地に電話して確かめたのですが、平日は飛行訓練のために1日数十本ほどの飛行があり、頻度も低くないことが分かったため、契約解除を決断しました。
幸い、設計フェーズに入る前に契約解除を打診できたため、追加の手数料もかからず、会社側の営業担当者が航空法について十分な説明をしていなかったためか、契約時の手付金も全て返金していただき、事なきを得ました。
土地選びの失敗を防ぐための教訓
私の失敗談から得た教訓は下記の通りです。
1. 航空法による規制がある土地でないか確認する
航空法とは、航空機の航行の安全および航空機の航行に起因する障害の防止を図ることを目的として制定された規制です。航空法に該当するエリアでは、航空機の飛行の障害となる恐れのある範囲の上に出る高さの建築物は設置できません。従って、航空法による規制がかかるエリアでは、上空を飛行する飛行機の騒音が問題となる可能性があるため、不動産や行政に確認を取ることをお勧めします。
航空法に抵触する場合、SUUMO等の不動産検索サイトでも物件概要の制限事項欄に記載されている事が多いため、細かい文字の部分ですがチェックしてみるとよいでしょう。

2. 物件見学時に、地元の方に周辺環境について聞き込みする
人付き合いが苦手な方には少々ハードルが高いかもしれませんが、物件見学時にご近所の方に周辺環境について聞き込みするのは有効な手段です。失敗談にあるように、飛行機の騒音は地元の方にとっては周知の情報であり、実際に聞いてみたらすぐに教えてくださいました。隣人の素性等、ご近所の方しか知りえない情報も手に入れられる可能性もあります。
もし、勇気が無かったり、引っ越した後のご近所の目が気になる場合は、信頼できる不動産やハウスメーカー関係者に聞き込みをお願いするのも一手です。
3. 初回訪問時とは異なる時間帯(夜間・平日等)に物件を再訪する
私の失敗談の場合、物件を見学していたのは自衛隊の飛行訓練が無い土日だったため、見学時に気づくことができず契約してしまいました。
初回訪問時とは異なる時間帯に再訪することで、思わぬ落とし穴に気づくことがあります。特に、夜の時間帯は周辺環境の明るさ等が分かるので、可能であれば契約前に再訪をお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
私の場合、駅距離や日当たりといった分かりやすい条件と比べて航空法は盲点となりがちのため、好条件なのに低価格な土地と勘違いして失敗してしまいました。
本記事を読んでいる皆さんが私と同じような失敗を避けて、皆さんにとって最も良い不動産を手に入れることができるように願っています。